旅日記

2015年8月30日(日)太田→鵜沼へ 18.3km

 昨晩から本格的な雨だ。坂祝駅から午前8時スタート。ポンチョと傘で雨対策だ。車は水しぶきをあげている。岩屋観音への狭い道に入る。眼下に川幅の広い木曽川がみえる。岩窟内には観音菩薩が安置されている。きょうの旅の安全を祈願した。下りて国道にでた。各務原市(かかみがはら)の道路標識がある。  雨のため廃屋のところで休憩。この近くに「うとう峠」への道があるはずだ。ガイド本には「階段を下り国道と鉄道トンネルをくぐる」とある。どこが入口かわからないまま1キロ以上国道を歩き、貞照寺付近についた。めざす「うとう峠とはちがう」。お寺さんにいた人に聞くと、廃屋のところが峠への入口だという。この峠には江戸から100里目の一里塚がある。見逃すわけにはいかない。もう一度いま来た道をもどる。  あった! 木にかけられた「中山道おりる」という小さな標識。急階段を下りるとトンネル内の水路は水が勢いよく流れている。その脇に幅60センチ位の通路がある。雨のため増水した水がいまにも狭い通路にあふれそう。上る階段わきは滝のような流れだ。木橋を渡り「うとう峠」へのぬかるみの細道を歩く。沢の水も音をたてて木曽川へ流れている。途中から整備された石畳の歩道がつづく。  歩道の近くに「小田原宿喜右衛門菩提碑」が目についた。この峠で喜右衛門が盗賊に殺され、鵜沼(うぬま)宿役人が3名連記で道標を兼ねた菩提碑を建てた。碑の前にはきれいな花、飲み物がおかれている。いつの年代か碑には彫られていない。近くには江戸から100里目の「うとう峠一里塚」があった。右側は原形にちかいが、左の塚は壊されている。  峠の出口が急に明るくなり、木造平屋建ての「もりの本やさん」(市立図書館)がみえてきた。ここで「菩提碑」の年代がわかるかもしれない。係の人に調べていただいたが、どうも碑は江戸後期らしい。11時頃になると雨がやんだ。  坂を下ると鵜沼宿(各務原市)入口の赤坂神社がある。この坂からはるかかなたに「犬山城」(犬山市)がみえる。中山道とはだいぶ離れるが、犬山橋を渡り訪ねてみた。小高い山の上に国宝・犬山城天守がある。犬山城は天文6年(1537)の築城だ。急な天守の階段を4階の望楼まで上がっていく。眼下に木曽川が流れ、対岸は美濃の国だ。  ふたたび中山道へもどる。鵜沼宿の復元された高札場、問屋場跡をみて、小さな橋を渡ると鵜沼宿のメイン通りになる。電柱もなく道路も整備されている。旧武藤家住宅の「町屋館」を訪ねた。ボランティアさんに聞くと「最近、脇本陣を含め宿場のまちなみが整備」されたという。外にでて復元された脇本陣などを案内していただいた。坂井家住宅(丸一屋)、梅田吉道家住宅(茗荷屋)などは国の有形文化財に登録されている。  宿場の近くに「衣装塚古墳」がある。この古墳は直径52m、高さは7mある。築造年代は4世紀から5世紀だという。小道があったので上がってみた。古墳の頂上にはたくさんの石仏があった。  きょうは雨のなか「うとう峠」の入口で迷い、さらに犬山城見学と多くの時間をさいてしまった。予定では加納宿まで歩くはずだった‥‥。午後5時、JR各務原駅(無人駅)から帰宅へ。次回はここから加納(岐阜市)、河渡(岐阜市)、美江寺(瑞穂市)などを歩く予定だ。

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