2015年5月13日(水)大宮→上尾→桶川→鴻巣へ 22.5km
宮原駅7時半スタート。駅を降りるとすぐ中山道がある。塀のあいまにひっそりと庚申塔がある。元禄時代のもので青面金剛像、三猿が陽刻されている。日光東照宮の「見ざる、聞かざる、言わざる」は有名だが、庚申塔と三猿は深い関係がありそうだ。
この三猿で「えっ、ここにも」とびっくりした経験がある。西アフリカのベナン北部のソンバ族の村を訪ねたとき、小さな子どもが素朴な三猿をお土産用にと見せてくれた。三猿は日本だけでなく、古くから世界各地にあるのだろう。
賀茂神社をすぎると、宮原小学校校内に「センダン」の高木がある。さいたま市の天然記念物に指定されている。淡紫色の小花が咲いていた。さらにすすむと愛宕神社の前に三猿が彫られた庚申塔がある。
もう上尾市に入っている。上尾宿は天保14年(1843)の「中山道宿村大概帳」によると、本陣1軒、脇本陣3軒、旅籠41軒、宿内人口は793人であった。いま本陣跡などの面影はまったくない。
ガイド本に「遊女お玉の墓」があるという遍照院に寄った。室町時代開山のお寺さんでピラミッドのような無縁塔をみかけた。墓石には元禄、享保、宝暦などの年号が読める。
歴史のある寺なのでいつのまにか無縁仏が増えてきたのだろう。探した墓は「遊女」ではなく「孝女の墓」と立札には書かれていた。
やがて桶川宿の木戸跡(江戸口)がみえてきた。桶川宿は本陣1軒、脇本陣2軒、旅籠36軒という宿場であった。天保7年(1838)建築の木造三階建ての島村家の土蔵(国登録有形文化財)を外から眺めた。
通りには矢部家の蔵造りの店蔵、幕末の小林家住宅(同じく国登録)、府川本陣跡などがある。桶川宿には、「中山道宿場館」(無料休憩所)がある。桶川市の観光資料もたくさんある。記念にと「往来手形の証」と紅花の種をいただいた。桶川は紅花産地として知られている。
近くに「女郎買い地蔵」(江戸中期)がある大雲寺を訪ねた。三体のお地蔵さんはあるが、どれなのかわからない。お寺さんにきくと「これがそうです」と教えてくれた。背中にかすがいが打ち込まれた地蔵がある。この地蔵は夜な夜な女郎買いをするため、鎖をつなぐかすがいをつけられたという。地蔵を擬人化したといえよう。
宿場をはなれて県道164号をひたすら鴻巣にむけて何キロも暑い中を歩きはじめた。やがて「ひな人形」の旗がひらめく商店街についた。鴻巣は江戸時代からひな人形づくりが盛んであった。鴻巣宿の江戸口の碑がみえてきた。すぐ近くに浄土宗の勝願寺がある。広くて立派なお寺さんだ。この寺に徳川家康は何回か鷹狩で訪れ、住職に感銘をうけたという。関東郡代を務めた伊藤忠次・忠治の墓などがある。この寺にも江戸時代の無縁仏の塔がつくられている。
冬の東海道53次歩きとちがって、午後6時近くなのにまだ陽は明るい。JR鴻巣駅から帰宅した。
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